« 川戦:安城合戦編⑩史料パズルⅡ | トップページ | 川戦:安城合戦編⑫漢字パズルⅡ(無の読み方) »

2013年5月29日 (水)

川戦:安城合戦編⑪漢字パズルⅠ(安城市史における「被相談」について)

 次に、織田信秀の安城侵攻に今川義元への相談があったか、否かの論点について述べてまいります。具体的には北条氏康文書の中にある『○相談』の文言が『被相談』なのか、『無相談』なのかを確認しようというのが趣旨です。
 以下は安城市史所載の北条氏康文書の本文と、個々の漢字が何番目の文字なのかを示したスケールをつけております。

01---+----10----+----20
如来札近年者遠路故不申通候処懇切ニ示給候
21---+----30---+----40
悦着候仍三州之儀駿州へ相談去年向彼国
41---+----50---+----60-
起軍安城者要害則時ニ破破之由候毎度御戦功
62--+----70----+----80--
奇特候殊岡崎之城自其国就相押候駿州ニも今橋
83-+----90----+----00-
致本意候其以後万其国相違之刷候哉因茲
02-+----10---+----20-
彼国相詰之由承候余儀題目候就中駿州此
22--+----30----+----40-
方間之儀預御尋候近年雖遂一和候自彼国疑心
42--+----50----+----60-
止候間迷惑候抑自清須御使并預貴札候忝候
62--+----70----+----80-
何様御礼自是可申入候委細者使者可有演説候
82--+
恐々謹言、

 次に、織田信秀の安城侵攻 方法論としては、上記文中の『無』と『被』の自体を抽出し、安城市史、戦国遺文、小田原市史の刊本史料と、朝野旧聞ほう藁及び、古証文(和学講談所版)等の肉筆本の字体を比較し、それぞれがどのような特徴をもっているかを比較することをもって、自分なりに妥当と考えられる読み方を検討するという手順を取ってゆきます。比較対象とする文字は32(被)、40(被)、51(被)、83(被)、104(被)、111(無)、142(無)の7文字で、特に32文字目の文字が被であるのか、無であるのかを判読してゆきたいと思います。

図表1:「無」と「被」の一覧
Photo_3

 安城市史版の北条氏康文書より、「無」と「被」としている部分の文字を一覧比較しました。 032と040の文字において刊本である戦国遺文、安城市史、小田原市史の解釈に違いが出ております。
 また、肉筆文書においては、特に古証文において字形にばらつきがあります。逆に、朝野旧聞ほう藁においては、安城市史が「被」としている文字と「無」としている文字を書き分けていることが明瞭にわかるかと思います。
 古証文の肉筆字で、特にばらつきがあるのは、032、040、083の「被」の字です。このばらつきについては、後段で検討します。

以降、各史料の呼称は朝野旧聞ほう藁は朝野、大久保酉山旧蔵本古証文は古(酉)、和学講談所旧蔵本古証文は古(和)、旧蔵所不明本古証文は古(不)と略称させていただきます。

|

« 川戦:安城合戦編⑩史料パズルⅡ | トップページ | 川戦:安城合戦編⑫漢字パズルⅡ(無の読み方) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/164985/57332380

この記事へのトラックバック一覧です: 川戦:安城合戦編⑪漢字パズルⅠ(安城市史における「被相談」について):

« 川戦:安城合戦編⑩史料パズルⅡ | トップページ | 川戦:安城合戦編⑫漢字パズルⅡ(無の読み方) »